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社宅とは?社宅の基礎知識と入居前に知っておくべきポイント

記事の監修

石川博幸(いしかわひろゆき)

2014年から携帯電話販売業界に参入、各家電量販店やショップにて販売、営業を行い、店舗にて新人教育や目標に向けてのコンサルティングなどしておりました。これまでの経験を活かし携帯キャリアのマネージャーとして複数店舗実績の向上に努めておりました。大手キャリアの優良事例賞などで最優秀賞等の実績がありお客様からもお褒めの声を多数頂いておりました。大手家電量販店での携帯電話販売にも関わり、マネジメントディレクターとしても活動。

「社宅」と聞いて、あなたはなにをイメージしますか?

 

「家賃が安くなって助かる」「なんだか面倒くさそう」思い浮かべる内容は、人それぞれでしょう。

 

当記事では、一般的にあまり馴染みのない社宅制度について、メリット・デメリットや社宅生活のコツをじっくりとお伝えしていきます。社宅制度のある企業の求人を検討中のかたは、ぜひ最後までお読みください。

 

社宅とはどのような制度なのか

社宅とはどのような制度なのか

 

これまで社宅に住んだことのない人からすれば、社宅とはどういう制度なのか、正直よくわかっていないはずです。この章では、社宅と寮の違いやメリット・デメリットなどについて、わかりやすく説明していきます。

企業がわざわざ社宅を用意してくれる理由

社員の福利厚生向上を目的におこなわれる社宅制度ですが、企業が従業員に社宅を提供する背景には、もう少しこまかい理由が存在します。

 

  • ■人材募集のアピール材料
  • ■業務の効率アップ
  • ■転勤や長期出張の円滑化

 

ひとつずつ見ていきましょう。

人材募集のアピール材料

新しくひとり暮らしを考えている人にとって、住居が用意されている状況は、非常にありがたいものです。とくに、遠方から引っ越してくる場合や、転職で引っ越し関係の費用を節約したい人にとって、社宅制度は大きなアピールになります。

業務の効率アップ

一般的に、社宅は職場の近くに用意されていることが多いです。職場までの距離が近ければ、そのぶん睡眠時間を確保できるし、なによりも満員電車や渋滞のストレスから開放されます。さらに、浮いた時間でプライベートを充実させることも可能です。

 

このように、社員に時間的余裕ができると仕事に対するモチベーションが上がり、業務の効率アップが期待できます。

転勤や長期出張の円滑化

転勤や長期出張が多い企業では、その場所にあらかじめ住居を用意しておけば、社員が煩雑な転居の手続きに悩まされずに済みます。ある程度の規模をもつ会社になると、転勤のような社員の異動は不可欠です。そのため、企業は社宅を普段から準備しているわけです。

社宅と社員寮の違い

非常に似たイメージのある「社宅」と「社員寮」ですが、両者になにか明確な違いはあるのでしょうか。結論からいうと、両者に明確な違いはありません。どちらも「会社が社員のために用意した住居」という意味で使われています。

 

ただ一般的に、「社宅はファミリー向け」「社員寮は独身もしくは夫婦ふたり世帯向け」として、使い分けているケースが多い印象です。

 

また、社宅は一戸建て、寮は個別の専用建物か借上げの賃貸というように使い分けているケースもあります。いずれにせよ、実質的に両者に大きな違いはなく、企業ごとに名称が異なる程度と考えておいて問題ありません。

社有社宅と借上げ社宅の違い

社宅には、大きく社有社宅と借上げ社宅の2種類があります。まず社有社宅とは、文字通り、会社が建物を所有している物件を指します。企業が一戸建てを所有するケースは少なく、複数の社員がひとつの建物で同居する、いわゆる「独立寮」のようなスタイルがほとんどです。

 

社有社宅は自社物件なので、家賃の支払いは発生しません。その代わり、維持管理費や老朽化した場合の修繕費用は、すべて企業負担です。屋上防水や給排水管の全取替えになれば、1,000万円以上の負担が発生する可能性もあります。

 

借上げ社宅は、企業が借り上げた賃貸物件を、社員に貸し出すタイプの社宅です。初期費用がかからず、維持管理や修繕をおこなう必要もありません。さらに、戸数の増減や場所の変更が必要になっても簡単に対応できるため、近年は借上げ社宅を選ぶ企業が増加しています。

社宅制度と住宅手当の違い

社宅制度では、社宅の家賃をいったん会社が支払い、社員の負担分を給料から天引きするのが一般的です。住宅手当の場合は、物件の契約はあくまでも社員個人がおこない、給料に上乗せという形で、あとから会社負担分の金額が支給されます。

 

いっけんどちらも大差ないようにみえますが、かりに社員の負担金額が同じだとしても、税金や社会保険への影響は大きく異なります。

 

社宅の場合、会社がおよそ50%相当の家賃負担をすれば、会社負担分は非課税です。さらに、社会保険料もかからないため、社員・会社双方にメリットがあります。

 

これに対して、住宅手当は全額給与扱いとなるため、所得税や社会保険料の対象になります。このように金銭的なメリットでいえば、社員・会社どちらにとっても、社宅の方が圧倒的に有利です。

 

しかし、住居選択の自由度という点では、完全に住宅手当が上回ります。社宅は会社が用意した物件に入居するしかありませんが、住宅手当の場合は、住む場所を自由に選択できます。

 

あとからトラブルを起こさないためにも、応募の前に、金銭的メリットと住居選択の自由のどちらを重視するのか、しっかりと決めておいてください。


社宅のメリット

社宅にはどのようなメリットがあるのか、主要な3点をピックアップしてご紹介します。

 

  • ■金銭的負担の軽減
  • ■住居探しの手間が省ける
  • ■住居関連のトラブルが起きにくい

 

通常、社宅の家賃は、企業が一部を負担してくれます。負担額は企業ごとに異なりますが、負担してもらったぶんだけ給料を自分のために使えるというのは、本当に大きなメリットです。(前述のとおり、税金や社会保険でもメリットがあります)

 

また転職や転勤で、新しく住居を見つけるのは、案外手間と時間がかかります。その点、社宅制度のある会社なら、自分で住居を探す必要もなく、新生活のスタートが非常にスムーズです。

 

さらに、社宅の契約は会社と物件オーナーが直接おこなっているので、突然の解約通知や家賃の値上げといったトラブルは基本的に発生しません。

 

◯社宅(寮)のメリットについては、以下の記事でもお読みになれます

社宅のデメリット

社宅制度には数々のメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。いったん社宅を選ぶと、しばらくそのデメリットとお付き合いしなければならないので、事前にしっかりとデメリットを把握しておきましょう。

 

  • ■住居を自由に選べない
  • ■プライバシーの確保がむずかしい
  • ■退職すると引っ越ししなければならない

 

社宅の場所はすでに決まっているため、自分の好みや希望に沿った住居選びは実質不可能です。もし、住む場所に強いこだわりがあるなら、社宅には入らないほうが無難でしょう。

 

また、個別寮や借上げ賃貸の場合、同僚との距離はどうしても近くなります。もしかすると、借上げ賃貸なら部屋が別だから大丈夫と考えるかもしれません。しかし、同じ建物で生活していれば、どうしても顔を合わせる機会は増えます。

 

上司や先輩が住んでいれば、おそらく食事やお酒のお誘いもあるでしょう。こういったお付き合いが苦手な人は、社宅の濃密な人間関係がストレスになる可能性があります。

 

なお、社宅を利用している場合、退職をすれば社宅から退去しなければなりません。通常、2週間以内の退去を求められるケースが多いため、退去時期については事前に確認が必要です。

 

◯社宅(寮)のデメリットについては、以下の記事でもお読みになれます

社宅生活をスタートする前に知っておきたいポイント

社宅生活をスタートする前に知っておきたいポイント

 

ここまで読んだかたは、社宅制度についてだいぶ知識が深まったはずです。あとは、いかに社宅生活を円滑に進めていくかが問題です。

 

この章では、契約前に確認しておくことやトラブル対応など、社宅生活をスタートする前に知っておきたいポイントをお伝えしていきます。

契約前に確認しておきたい諸条件

社宅に入居する際、一歩踏み出す前にしっかりと確認しておきたい条件がいくつかあります。確認を怠ると、あとで思わぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。

 

まず、もっとも気になる家賃の負担額は、明確になっているでしょうか。自己負担はいくらなのか、契約前にきちんと把握しておくことが大切です。

 

次に、契約期間終了時の条件を確認しましょう。デメリットでもお話ししたように、退職をすれば社宅から引っ越さなければなりません。退去までの期間や退去時のルール・ペナルティが定められているかどうか、必ず確認してください。

 

また、社宅の広さや設備、生活のルールについても確認が必要です。たとえば、喫煙の許可・共有部の使用ルール・設備故障時の対応など、トラブルになりそうな点はできるだけ細かくチェックしておくべきです。

トラブルを起こさないために「社宅生活のマナー」

社宅生活では、共同生活者として一定のマナーが求められます。たとえ、賃貸借上げで部屋が別だとしても、同じ建物に住んでいる以上、こまやかな気配りや配慮は欠かせません。

 

社宅でもっとも多いトラブルは、なんといっても「騒音関係」です。音楽やテレビ、家具を移動する音など、こうした生活音は想像以上にほかの部屋まで響いています。

 

同期が部屋に集まり、お酒を飲む場合などは、さらに注意が必要です。間違っても夜中まで騒ぐことのないように、常識的な生活を心がけてください。

 

また、ゴミ捨てや共用部の使い方についても、ルール厳守の意識は欠かせません。近隣の住民と廊下で会ったときには、きちんと挨拶を交しましょう。

 

借上げ社宅に住んでいるということは、常に会社の看板を背負っているようなものです。ルールを守らず、態度が悪いと認識されてしまえば、会社を巻き込んでのトラブルに発展しかねません。「他人と共同生活している」という意識は、いつも忘れないようにしたいですね。

困ったときはどうする?トラブル対応について

社宅生活では、時に予期しないトラブルに直面するかもしれません。そんなときは、とにかく素早く行動することです。

 

まず、給湯器の故障や水漏れといった設備関係の不具合が起きた場合、焦って自力で修理を試みるのはあまり得策ではありません。あくまでも借り主は会社なので、社宅の管理担当者や管理会社に連絡をして、指示を待ちましょう。

 

また、運悪く近隣トラブルが発生したときは、とにかく冷静に対応するのがポイントです。たとえ相手が悪くても、怒りにまかせて暴力を振るうような行為は、絶対に避けてください。

 

あくまでも冷静に話し合い、どうしても折り合いがつかない場合は、会社の担当者や管理人など、第三者に介入してもらいましょう。

 

もし、自分が原因でトラブルを起こしてしまったのなら、とにかくできるだけ早く謝罪をしてください。心から自分の非を詫びれば、大きなトラブルにまでは発展しないはずです。

 

◯社宅(寮)のトラブル対策については、以下の記事でもお読みになれます

社宅で楽しく暮らすコツ

最後に、社宅で楽しく暮らすコツをひとつだけお伝えしておきます。社宅での生活を快適に過ごすには、「オンとオフの切り替え」が重要です。

 

せっかく会社の仲間と近くに住んでいるのですから、ぜひ積極的にコミュニティをつくってください。仕事終わりに軽く飲みにいくのもいいですし、社宅に住んでいる人を集めて、BBQやパーティーを企画してみるのもオススメです。

 

こういったイベントは、普段接点のない上司や先輩と打ち解けて話ができるチャンスです。面倒くさがらずに、こうしたコミュニケーションを楽しみましょう。

 

とはいえ、いつも会社の人とばかり会っている状態は、やはりストレスを生みやすいです。静かにひとりで過ごす時間・自己啓発の時間・プライベートの友人と会う時間も、大切にしてください。

 

このように、オンとオフのバランスがうまく取れるようになると、社宅ライフは非常に楽しいものになってくれるはずです。


まとめ

社宅生活は、そのメリットとデメリットを理解したうえで活用すれば、非常に魅力的な制度になり得ます。今回紹介した社宅制度の概要と、知っておくべきポイントを参考にして、有意義な社宅ライフを送っていただければ幸いです。

ワークスタイル|2023.08.29

 
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